こんにちは、あもん です。
「なんの勉強をした方がいいですか?」
こういう仕事をしていると、「なんの勉強をした方がいいですか?」みたいにざっくばらんな相談を受けることがあります。
本人が何をしたいか、どんな未来を描いているのか、どんな特性を持っているのかで変わってくるので一概に「コレ!」とは言えないんですが、今回はすべての人が今勉強した方がいいものを紹介しようかなと。
何かと言うと、具体抽象の行き来 です。
・具体的な話を抽象的に話せるように
・抽象的な話を具体的に話せるように
この横展開ができるようになった方がいいです。
実例をいくつか出して説明しますね。
「プレゼン技術」をどう捉えるか?
例えば、あなたがセミナーで「プレゼン技術」を習ったとしましょう。
プレゼン技術なので、内容は「人前で何か発表するときに良い印象を抱いてもらう技術」的なやつです。
このプレゼン技術のセミナーを受けたほとんどの人が「よし、今度のプレゼンで使おう!」と思いながら帰宅します。当たり前ですよね。
このスタンスがまずダメなんですよ。プレゼン技術をプレゼン技術として覚えてしまうと、プレゼンのときにしか使えません。
プレゼンなんて毎日あるわけではありません。あっても月に1回とかでしょうし、人生でプレゼンを一切せずに死んでいく人もいます。
月に1回程度のプレゼン技術をそのまま腐らせるのって、めちゃくちゃコスパが悪いんですよ。なので、習った技術はもっと色んなところで応用していった方がいいですよね。
「プレゼンで使おう」というスタンスは、その技術をプレゼンでしか活用しようとしていません。まあプレゼンで使う技術として習っていますからね。
では、この「プレゼン技術」を抽象的に捉えてみます。
プレゼンというのは先ほど書いたように「人前で何か発表するときに良い印象を抱いてもらう技術」ですよね。
これを抽象的に捉えると「話をするときに相手に良い印象を抱いてもらう技術」です。
つまり『 話す技術 』です。
プレゼン技術→話す技術 として自分の中にインプットしたとき、この技術は「 すべての話す場面 」で使えるようになります。
話す場とはプレゼン以外にも、家族、恋人、職場の人、近所の人、友達など、幅広い場面で使えるようになりますよね。さらに話す場というのはほぼ毎日必ずありますから、月に1回ではなく毎日何回も使えるようになるわけです。
これがプレゼン技術を『 話す技術 』として抽象的に捉えた場合です。
ただ、実はもう1つ抽象度を上げられます。
それは『 伝える技術 』です。
話すというのは「相手に何かを口で伝えること」ですよね。では他に伝え方でどんなものがあるかと言えば、
・ジェスチャー
・文章
・映像
・写真
・アイコンタクト
などなど。こういった手段があります。
つまり、プレゼン技術を『 伝える技術 』として捉えることができれば、その技術を写真にも文章にも応用させることができる、ということです。
これが【 抽象具体による横展開 】です。
JALの一番のライバルは?
もう1つ具体例を挙げます。これは僕が10年ほど前に受けた課題で、最初聞いたときは衝撃的でした。
まず「 ANA 」が出てきた人。これは一番低い抽象度の答えで、誰もが出せる答えです。JALを「 日本国内の質の良い航空会社 」として捉えた場合です。
お次は「 LCC 」などが出てきた人。これはJALを「 飛行機 」という抽象度で捉えたときのライバルですね。
お次は「 新幹線やバス 」などが出てきた人。これは「 移動手段 」という抽象度で捉えたときのライバルです。
僕も当時ここまでは出せたんですが、その次の抽象度は出せませんでした。
その次の抽象度とはなにか。
移動手段とは「 物体をA地点からB地点に移動させること 」ですよね。その手段として飛行機やバス、電車、車や自転車などがあります。
移動手段の最大の敵は「 移動させないこと 」です。
そもそも、移動しようと思わないとJALを使ってくれませんよね。この「移動しようとしない」ものが何かといえば、そう。
【 インターネット 】です。
例えば、現地で誰かがオンラインで映像を繋げてくれたら、わざわざ行かなくても現地の様子を知ることができますよね。
このように、そもそもインターネットは人間が移動することを阻止するので、人がJALを使う機会をどんどん奪っているんです。
だからこそ、JALの一番のライバルは「 インターネット 」である、とも言えるんです。
具体抽象は人生を豊かにする最上位のスキル
このように具体例を抽象的に捉えて、他の具体例に応用することができると人生の幅が一気に広がります。
たとえばマンガを読んで、そのマンガから学んだことを自分の人生に活かすとか。これも具体抽象の行き来です。
「 安西先生が『諦めたらそこで試合終了』と言っていた。私も諦めずに挑戦しよう! 」
これは、三井寿の人生と自分自身の人生を『 人の人生 』という抽象度で捉えて横展開させた感じです。

こんな流れですね。この力を伸ばすことができればいろんな話を自分の人生に活かせるようになります。
1つのことばかりを勉強している人がいますが、そうするとこういった横展開の視点がなくなってしまう。だからこそたくさんの勉強をしつつ、それをどう他のものに活かすのか?ということを勉強して身につけていかないといけません。
SNSで選択肢と情報が増えている今の時代、具体抽象のスキルは特に必要になる技術です。
コンサルでは就活の相談にも乗りますが、僕は就活を一度もしたことがないのに答えることができます。なぜか。就活で大事なのは「 相手にほしいと思ってもらえること 」ですよね。
その抽象度で見れば、僕のやっている情報発信も「たくさんの人に見てもらうためにどうするか?」という点で一緒だからです。
子育てをしたことがない4年前から子育ての相談に乗ることができたのも、「子育ての悩み」という具体的なものを「セルフマネジメントの悩み」or「人間関係の悩み」として抽象的に捉えていたからです。
その2つさえ分かっていれば、あとは状況に合わせて当てはめてあげればいいだけ。だから未経験の相談にも乗れるんです。
聞いた話を抽象的に捉えて、それを自分の経験した(または知識や想像でカバーできる)具体例に当てはめて理解する。そして自分の経験した具体例での対策方法を考え、それを抽象的に捉えて相手の具体例に当てはめて伝える。
一朝一夕じゃ身につきませんが、人生は今の10倍の速度で加速していきます。
これが、「時間をかけてでも大人が今すぐに勉強すべきジャンル」です。

